2023/08/30

働いた。自分が撮られた写真を見返していて、白髪の多さに驚く。Lシステインの摂りすぎか。でもせっかく白く生まれたので、昔はコンプレックスだったけど、白いまま死んでいきたい。白皮症までいかないし、そこまで白い肌にフェティッシュはないけど。小5くらいの時から鼻に黒ニキビが目立ち、いまだにターンオーバーが乱れると、いや乱れに乱れているが肌荒れで外を出歩く気が失せる。小6の修学旅行のVHS——なつかしい響き——をクラスみんなで観るという機会があり、担任がふと「佐藤若いねえ」と言ったのをよく覚えている、それくらいには若かった顔も、小学生を頂点に頽落の一途をたどったのだから、戻れるなら修学旅行の時に戻りたい。

白さゆえに低学年の時は、ロシアに帰れだとか、もう一人白い同級生がいてロシアンブラザーズだとか、幼いながらにうんざりすることもあったけど、今思えば誇らしい。しかしその時はただただ言葉がなかった。中学までは言葉を持っていなくて、打ちつけられる怒号だの誹りだの、とにかく受け身でしかなかった。自分が受け身であることも理解できていない、これが高校になると途端に状況を俯瞰で捉え返すことになる。

送別会で席をご一緒した方におすすめ本を聞かれたので『それは誠』をおすすめしたら後日メールで『十七八より』を手にとっていただけたみたいであまりの嬉しさに阿佐美景子(一発で予測変換!)三部作通しで読むと感動が大きいですよと結構な熱量で返してしまって、ああやっちゃったなあと馴染みの自己嫌悪、次の日の朝、その方とたまたま入れ違いになりすごく素敵な笑顔だったのであー言葉届いたのかもって、表情ですべて伝えてくれる「それは楓」なのにやらなきゃいけない仕事のことばかり考えていた僕は強張った口角でたどたどしく、ぎこちない「おはようございます」で朝を濁らせてしまう、こうやってだらだら形容詞並べたくなるのって死にたい時か。ロシアに帰らないと。