那覇へ行った。首里城の石だらけのお風呂場ですれ違った修学旅行生がぼそっと「ドアとかないんだね」 と呟いて、内心ゲラゲラ笑う。
昔マグリット展に行ったとき、『ゴルコンダ』を「え、人多いね」と一蹴した子がいて、ナチュラルにクリティカルな一言に嬉々としてしまったのだけど、その時の高揚感に近い。
モノレールから見るなだらかな勾配の振幅にわくわくした。丘陵地帯というのは見ている分には楽しい。かなり標高の高いところまで走るモノレールに胸が高鳴る。年期の入った建物が立ち並ぶのは迫力があった。
那覇中央郵便局の隣のコンクリートブロックの彫刻に足が止まった。コンクリートブロックが安価に調達できるため戦後の建築に重要な役割を果たしたこと、生活の礎になっていたことをその後知る。
17時。街は明るく、どこか時間の流れがゆっくりしている。東京の忙しなさではあり得ない時間の流れに気持ち良く揺蕩う自分に気づく。
月も濁る東京の夜に戻ってきた。